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こんな時どうする! 救急対応② 中毒

  • 執筆者の写真: RIMORANA
    RIMORANA
  • 2022年6月2日
  • 読了時間: 6分

更新日:2022年6月28日

こんな時どうするシリーズ第二弾!! 

今回は中毒についてです。

身近にあるもので中毒になるものってとっても多い!!

犬猫を中毒にさせてしまうかどうかの責任は、厳しいようですが、オーナーの責任と言えます。

ですので、食べさせない、触れさせない、近くに置かないなどの注意をいかに出来るか。ということになります。


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犬猫が中毒になりえる物質は人間が生活する場所に身近に存在します。

・植物 (精油含む)

・食品

・たばこなどの化学物質や薬品

生活の中で全てを排除することは不可能なので、何がどのように「毒」となるのか、また、もしも中毒症状が出た時にどうすればいいのかを把握して、スムーズに治療できるよう対処しましょう!!

まず、食品についてです。

食品は、中毒以外にも与え過ぎによる障害が出るものがあるのでそちらも合わせてお伝えします。

犬や猫に与えてはいけない食品については、みなさま耳にした事があると思います。

全ての食品についての研究はまだされておりませんが、代表的に耳にする食材について

ご紹介いたします。



・ネギ類(玉ねぎ、長ネギ、ニラ)

=アリルプロピルジスルファイド等の有機硫黄化合物が赤血球を酸化させ、溶血性貧血を起こし死に至る場合がある。これは、加熱しても毒性は消えません。

症状:血尿、重度の貧血、嘔吐、下痢、発熱、黄疸、息切れ

・ぶどう、干しブドウ

=銅中毒、凝縮した糖分のアルコール化などにより、腎不全を引き起こす

・カカオ(チョコレート、ココア)

=中毒性物質のテオブロミンを含む。致死量:50g/1kg とされており、小型犬の場合一般的に見るチョコレートの板チョコ1枚で死に至る場合がある。 また、カカオ70%等のビターチョコレートでは2cmx3cmx3mm程度のチョコ2個で致死量となる

※致死量とは一般的に50%が死に至る量と言うことで、個体によってはそれより少ない量でも死に至る場合がある。

症状:嘔吐、下痢、多尿、充血、興奮状態、けいれん、血尿、発作、昏睡

・アルコール

=下痢、嘔吐、意識障害が引き起こし、肝臓などの内臓に負担が大きい

・香辛料

=刺激の強い香辛料は、胃腸障害、肝臓、腎臓の負担が大きい

・生の豆、マカダミアナッツ

=生の豆やマカダミアインナッツには中毒性物質が含まれる。

また、ナッツ・米・トウモロコシ等の穀物類はアフラトキシンというカビから発生する発ガン性のある毒物が含まれていることがある。


過去に南カリフォルニアで、これに汚染されている穀物を使用し製造されたフードを食べ多くの犬・猫が急性肝不全で死亡した。 

症状:元気ながい、食欲がない、黄疸、血便を伴う嘔吐が長く続く、発熱

・アボカド

=熟していないもや種類によって、中毒性のあるペルシンを含む

症状:消化器症状

・牛乳

=タンパク質に含まれるBカゼインAIにアレルギーを引き起こす場合があります。

症状:消化器症状

・魚介類(イカ、タコ、蟹、エビ、生の魚)

=チアミナーゼという酵素により神経障害を起こす。 昔から聞く「腰が抜ける」とはチアミナーゼによりチアミン欠乏症が起き、神経障害が発生して後ろ足を立たせる神経に伝達障害が発生する為。

※猫や犬にお刺身など与える場合は少量にするか、熱を通す事

・レバー

=脂溶性のビタミンAが多い為、与え過ぎは過剰摂取となり中毒を起こす。

※不足に対する補充以外は与え過ぎとなる為、おやつなどでレバーを与える際は量に充分注意する事。

元気な個体で総合栄養食を与えている場合、それ以上に与える事は過剰となるので注意。

・鮭(サーモン)

=脂溶性のビタミンDが多いため、与え過ぎは過剰摂取となり中毒を起こす。

・生の卵白

=継続して与えると、アビジンというタンパク質によってビオチン欠乏症をおこし、脱毛、皮膚炎を起こす


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その他物質

・キシリトール(ガム・お菓子・歯磨き粉に含まれる糖アルコール)

=インスリンを大量に放出させ低血糖、肝不全、嘔吐を引き起こす

※致死量:0.5~1g/kg

・たばこ(ニコチン)

=神経障害、下痢、嘔吐、興奮など。量によっては死に至る

・除草剤

=除草剤には有機リン剤やカルバメート剤と呼ばれる中毒物質を含みます。これは消化管以外にも皮膚や目からも吸収され、嘔吐、下痢、呼吸困難、沈鬱、けいれん発作、神経障害を起こします。

・エチレングリコール

=保冷剤に含まれているエチレングリコールですが、腎臓に対して毒性を発揮します。

症状:食欲不振、嘔吐、元気消失

・植物

=アルカロイドを含む植物等

(キンポウゲ科、ケシ科、ナス科、ヒガンバナ科、マメ科、メギ科、ユリ科、トウダイグサ科、ウマノスズクサ科) 

ポトス、モンステラ、カラー等のサトイモ科

植物は、観葉植物以外にも人間の飲むハーブティーに使用される植物なども、犬にはOKだが、猫はNGなど様々あります。 ですので、摂取してもOKな植物以外は、犬猫が誤って口にしないよう注意を払う必要があります。




また、猫は香りを楽しむアロマテラピーは基本的にNGと考えてください。

猫には、体内に吸収した精油のテルペノイド成分を解毒し代謝することが出来ません。


その為精油に含まれる成分を毒として処理する為肝機能に大きな負担がかかり、時には中毒症状を起こすことがあります。 また、植物に含まれる成分が、猫にとってどう作用するのか研究がほとんど進んでいない為、どんな影響があるのか不明な点が多いのが現状です。

ハーブなどを使用する場合は猫が使用できるハーブかを十分確認した上で使用しましょう。

部屋に置くハーブによって猫が死亡する例もあります。その為、猫にアロマを使用する際は、精油を使用せず芳香蒸留水をさらに希釈して使用する事をお勧めします。

また、お風呂などで、精油成分を含む入浴剤を使用する際は、猫を出来るだけ近づけない。常に新鮮な空気が入るよう換気するなどして、精油成分を出来るだけ吸収しない様注意しましょう。


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それでは、上記の物質を口にしてしまった。中毒となる物に触れてしまい様子がおかしい。等に病院に連れていくまでに出来る事をご紹介します。

中毒症状に気が付いた時、、または、口にしてしまった時は吐かせる事が最も有効です。


 消毒液や高濃度の塩水を飲ませるなど、ネットで検索すると吐かせる為の方法が出てきますが、胃や食道が炎症を起こしたり濃い塩水により中毒を起こしたりする可能性がある為、危険もあるので病院で対応してもらうことが安全です。

また、水を飲ませて内容物の毒性を薄めるなど耳にしますが、何を摂取したのか分からない場合は逆に危険な事があるので、安易に水を飲ませることはやめましょう。


特にたばこを飲んでしまった際には、水を飲むことによって水分でニコチンが溶け出し、より吸収されてしまいますので、水や牛乳など水分を取らせる事は危険です。

~ 病院へ行く前に準備する事~

1,摂取したものは何か

2,摂取してどのくらい時間が経過しているのか

3、どれくらいの量をどのように摂取したのか。食べたのか、目に入ったのか、皮膚にふれたのか。

4,どのような症状が出ているのか

5,症状がでてからどれくらい経つのか

1~5を出来るだけ正確に伝えるためにメモをしておく。

また、できれば摂取したものをやパッケージを持って病院へいく

嘔吐したなら、吐物も持っていきましょう。

また、パートナーの生活環境なども関係してくる場合があるので、ある程度答えられるようにしておきましょう。

 
 
 

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