こんな時どうする!!救急対応① 外傷
- RIMORANA
- 2022年5月13日
- 読了時間: 4分
前回は、割り込みで災害時についてお話しさせていただきました。
災害時や平時でもあり得る、怪我等の急な事態に、オーナーさんが病院へ連れていくまでに自分で出来ること、して欲しい事をお話しさせていただきます!
今回は外傷についてです。
外傷は普段の生活で発生してしまう珍しくない事です。
例えば、お散歩中に硝子片を踏んで肉球が切れてしまった。
爪を切りすぎた。他の犬や猫とトラブルになり傷を負った。
などなど、血をみると動揺してしまい慌てるばかりでなにも出来ない!何て事にならないよう、病院へ行くまでにするべき事をある程度イメージトレーニングしておくといいですね!!

外傷で、まずしなければならない事は、止血です。
毛細血管からじんわり出る出血もあれば、動脈から勢い良く出る出血もありますが、慌てずまずは、出血しているところを布など用いて直接押さえましょう。
5分程度圧迫止血をして、ある程度出血がおさまったら、その後ジワジワ出てくる出血には、片栗粉などを血が出てこなくなる程度振りかけます。
傷口が汚れている時は、ちょっとした出血なら傷を洗浄してから止血します。
以前は傷は消毒して乾かして瘡蓋にして…というのが主流でしたが、近年では、傷は水で洗い、雑菌を洗い流します。
場合によってめん棒を使ったり水圧をあげたシャワーを使って汚れを洗い流します。
可能であれば、傷の付近の被毛は刈って洗浄すると、被毛からの感染等も防げます。
その後清潔なガーゼやハンカチで覆いながら病院へ受診してください。

消毒薬は傷を治そうとする組織も破壊してしまう成分が含ませている為使用は避けましょう。
また、近年では傷も縫合すること無く、動物の負担も少ない湿潤療法を選択する事が主流となっています。
かみ傷は一見小さな穴で、病院に行くほどでもないかと思いがちですが、筋肉や胸のなか、お腹の中にまで続く深い傷になっている場合もあります。
また、傷口から雑菌が入ることが多く、抗生物質等服用が必要な場合もあるので、必ず病院で診てもらいましょう。
外傷の場所による対応
頭部外傷
頭部の外傷は一見軽い傷に見えても、脳神経系への影響が心配されるので、外傷はもちろん、打撲など強い衝撃を受けた時にも注意が必要です。
顔を打っているいる際は、口の中に血が回って喉にたまってしまうこともあるので、口の中もチェックしましょう。
以下の症状がある時は緊急性があるので様子見などせず、直ぐに病院へ受診しましょう。
嘔吐、過呼吸、痙攣、意識消失、瞳孔不正、等。
また、興奮している状態では、脳圧が上がりさらなる脳傷害へつながので、抱き上げたり、撫でたりして落ち着かせましょう。
また、オーナーも高い声で忙しく騒がず、落ち着いた低い声でゆっくり話しかけてあげましょう。
立てない状態で運ぶ場合は、頭部を少しだけ持ち上げると、外傷の影響で上がった脳の圧力を軽減させることに繋がるので頭を10~30度持ち上げて運びましょう。
首が曲がるほど持ち上げると頸動脈を圧迫させてしまうので注意しましょう。

胸部外傷
胸部外傷では衝撃が内部にまで達している可能性があり、気胸や膿胸、血胸といった状況になる可能性があります。
どれも呼吸が上手く行かない状態で緊急性があります。
もし、家庭に酸素スプレーなどあれば、吸わせながら移動するのは効果的です。
また、呼吸数の上昇で体温が上がる場合は、脇の下や太ももの付け根等にタオルで巻いた保冷剤等で冷やし体温を下げる対応も有効です。
下記症状は緊急性があるので迷わず病院へ受診しましょう。
・呼吸状態の変化
腹部外傷
交通事故や高い場所からの落下等で、腹部に外傷を負った場合は、臓器が傷ついている場合があります。
受傷後からの持続性嘔吐、腹痛、腹部の張り、血尿、血便、無尿、の症状が診られる場合、どれも緊急性があります。
特に外傷後直ぐに立てなくなったり、口の中が白くなったりした場合は、お腹の中で大量に出血している場合がありますので、直ぐに病院へ受診しましょう。
筋骨格系外傷
筋肉や骨格系の外傷ですが、トイ系の落下などが一番多いとも言われています。
犬種によっては生れつき問題が発生しやすい犬種もいます。四肢や歩行の異常や違和感がある場合は放置すると酷くなることの方が多いので、早めに受診しましょう。
筋骨格を痛めている場合は、歩くことが困難な場合があるので、キャリー、バギーや、抱き抱えて移動するなどしましょう。
筋骨格の治療は安静にすることがとても重要です。受傷後に出来るだけ興奮させないよう勤め、治療中等も大人しくしていられるよう訓練しておくといいてすね!!

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