犬・猫の意外と知らない基本的な事~
- RIMORANA
- 2022年1月18日
- 読了時間: 6分
今一緒に過ごしているパートナーの好みや行動の癖などは、いつも一緒に過ごしている家族しか知りえない事が多いですよね! 観察はとても大切! 小さな変化にも気が付けるのは一緒に過ごす家族にしか出来ない事だからです。
その小さな変化が病院に行ったとき、とても大切な情報になるのです。

ところで、犬・猫の視覚、聴覚、臭覚はご存じですか? 人より耳・鼻がいい!というのは
知っていますよね?ではどれくらい良いの?? 色は認識できているの?
今回は知っているようで意外と知らない犬・猫の事についてお話します。
・行動について
~犬~
ひと昔前までは犬は群れで生活する為厳格な階級社会の中で生活すると言われてきました。
しかし、最新の行動学の研究で分かってきたのは、主従関係ではなく、協調関係が優位に
働いているとわかってきました。
もちろん優位、劣位はあるものの、重視されるのは、”それを得意とする者”がその時の指揮を取ると言うこと。
例えばテリトリーを守る・監視する担当がオーナーにあるとします。
すると犬は来客に対し過度に吠える・威嚇する等の行動をせずオーナーに任せます。
(吠える→お知らせすると褒められると解釈している犬は逆にオーナーが頼りなく、自分がこの場所を守らなければ!!と考えている犬は
自分のテリトリーを脅かす可能性のある者に対し、追い返そうと過度に反応し
吠える、威嚇するという行動を起こします。
犬にとって自分と仲間が安心して生活出来る環境を守ろうとするのは種として
当然の行動です。
オーナーが犬にとって頼りになれる存在になる事で、躾がしやすくなったり
お互いの信頼関係を築く事ができます。
!頼れる存在になるためのオーナーの行動については後日UPしますね。
(恐怖を与えるような行動は信頼関係どころか、信頼を失います!ご注意を!)
~猫~
猫は単独生活をする動物です。
犬のように協力して狩りをし、獲物を分け合うのではなく、単独で獲物を捕獲し食べます。
しかし、現代では人と暮らす猫も多く猫にとってメリットがる場合にはグループ(信頼できる人間、犬、猫等)で生活することもあります。

・視覚
~犬~
犬は遠近順応の能力が優れていません。70㎝以内の物には焦点が合わずぼんやりしています。また、動くものを獲物として捕獲してきた犬の動体視力は動いていれば800m先の物でも特定できます。逆に静止視力は人間の4~8倍悪く「動かない物は価値のない、反応する必要のないのも」と認識しているようです。
色については1989年のネイツ博士の研究により、青~黄色の2つの色をまた、その中間色を識別できる事がわかっています。
カリフォルニア大学の犬の視覚実験では、人間に見えている色はこのように映っているそうです。
赤→暗いグレー
緑・黄色・オレンジ→黄色っぽい色
紫・青→青っぽい色
~猫~
猫目線で世界がどのように見えているのか、アーティストのニコライ・ラム氏が獣医師や眼科医からの情報を基に表現した画像があります。
↓
画像引用:nickolaylamm.com
添付の資画像程度しかなくかなりぼやけて見えているようです。
人間は180°の視野に対し猫は200°見渡すことが出来ます。
色覚は赤色は認識できず、緑、青、黄色、紫は認識できます。

左:人の色覚、中央:猫の色覚、右:モノクロ
また、猫は黒が嫌なようです。
これは、猫の色覚の中で黒ははっきり見える色で他の色はぼやけて見えるため威圧感を感じる為とされています。 猫に好かれたいのなら黒の服は着ていかない方がよさそうですね。
また、暗がりでは人間は人の6倍~8倍見ることができます。
犬同様静止視力はとても悪く、動いているものであれば小さな虫でも30m先でも見つけることが出来ると言われています。これは人間の4倍の動体視力に当たります。
猫の狩猟本能を刺激する動きで運動不足解消をしてあげましょう!!

・聴覚
~犬~
犬が一番反応しやすい周波数は、小動物が出す音域に値する30,000Hzと言われております。鳥猟犬や獣猟犬などの使役犬の合図につかわれている犬笛が発する周波数も凡そ30,000Hzだそうです。
犬の聴覚は人間の4倍と言われており、人が100m先の音を感受できた際、犬はその4倍の400m先の音を聞き取ることができ、落下音については人の400倍も聞きとれると言われております。
猟師がはるか遠くで鳥を射落とした音を聞き分け、迷いなくその場に行くことができるのはその為です。
また、犬は32方向の(人は16方向)の音を拾い集めて聞き分けることができます。左右別々の音源を聞き分ける事ができ、興奮状態でもオーナーの声とそれ以外の音を聞き分ける事がきでます。
~猫~
猫の聴覚は人・犬よりも優れておりその可聴域は20~85,000Hz(人:20~20,000Hz、犬:15~50,000Hz)とされています。
獲物となるネズミの鳴き声を暗闇の中でも聞き取る為に特に聴覚が発達しました。
小さな高い音が聞き取れる為、耳が良く大きな音を嫌います。周波数の高い大きな音も聞こえ過ぎるのか嫌います(ドライヤーや掃除機などのモーター音等)
どんなふうに聞こえているのかわわかりませんが、人間の周波数の数値を見て想像するに、人間の世界は猫にとって不快なほどの大きな音に囲まれているのだと想像できますね。
大きな音に配慮しつつ、小さな音で隠れたものを見つけさせるなど狩猟本能を刺激して遊ぶなど音も使いようです・・・

・嗅覚
~犬~
犬の嗅覚は人の100万倍(猫は20~27万倍)とされ、犬の方が猫の4倍ほど嗅覚が優れております。
人の想像できないほどの匂いの中で生活していることがわかりますね。
お散歩中でみられる犬の行動でマーキングされてた場所のニオイを嗅ぐ行動をしますが、そのニオイからその犬の生理状態や社会的順位、時間経過等の情報交換をしております。(アニマルコミュニケーション)
その情報から、自然界では相手が強そうな相手なら鉢合わせしないようその道を避けたり、時間をずらしたりするのです。
オーナー同士が初めましてでも、犬同士はアニマルコミュニケーションからすでに顔見知りということも・・・(後日犬のカーミングシグナル(転移行動)についてUPします)
~猫~
猫は人の2倍の嗅覚と言われております。食事をする際ニオイは味覚の補助として使われ、食べなくても何の肉なのか識別できます。 その為鼻が詰まると食事をしなくなる事もあり
死に至る場合もあります。
また、猫には耳の付け根・尻尾の付け根・足の裏・肛門にフェロモンが分泌されておりそれを人や家具にこすりつけマーキングをします。そのニオイから犬同様にアニマルコミュニケーションを図ります。
耳と尻尾の付け根から出るフェロモンは安心している場所や人につける匂いでそのニオイでこの場所は安心できる場所と認識します。

・触覚
~犬~
犬のひげや眉毛の感覚毛は神経と繋がっており、猫程敏感ではありませんが、ひげで空気の流れや空間を感じることができます。また、引っ張ると痛みを感じます。
また、足先・鼻・口の周り・肉球・尻尾は敏感な場所で触られるのを嫌がられる事もあります。小さい頃から触らせる事に慣れさせ、トリミングなどが苦手にならない様にしてあげましょう。
~猫~
猫のひげは被毛より深いところから生えており、少しの接触でもその刺激を増幅して感知し、動きや速度、方向を感知します。
また、肉球・尻尾も敏感な場所です。
温度に敏感なのは鼻と上唇です。
人間は犬・猫と10分触れ合った時(直接接触)ストレスホルモンであるコルチゾールの値が減少したという発表もあります。また、実際手で触れて触ることで犬猫もストレスが緩和され、幸せ感情が高まる事が科学的にも証明されています。(嫌がる犬猫に無理に触るのは逆効果です)
いかがでしたか。犬や猫が急に静止して何かを見つめているとき・・・幽霊という説もありますが、実は私たちに見えない小さな虫でも発見したのかもしれないですね!!
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