犬猫のストレスサインに気づく!
- RIMORANA
- 2022年2月7日
- 読了時間: 7分
ストレスと自律神経・・・人と同じように犬猫もストレスを感じます。また、同時に無意識に働く自律神経があり、交感神経・副交感神経が状況に合わせて交代しながら休まず働いております。
交感神経と副交感神経はバランスよく交代する事が大切で、どちらか一方ばかりが優位に働き過ぎてしまうと、相対的にもう一方の働きが弱くなってしまいます。
例えば、とても臆病が犬が常に知らない人が出入りをする場所で日々怯えストレスを受けながら過ごしている場合、常に交感神経が優位な状態が続くことになります。その結果、ひどく興奮しやすくなったり、緊張で疲れやすくなったり、消化吸収が悪くなり体調を崩したり、自律神経失調症や心身症、血行障害など、心と体が病的な状態につながりやすくなってしまいます。
交感神経が優位になる場面は「刺激」としてももちろん必要ですが、当然リラックスして副交感神経を優位にする場面も必要になるのです。

犬と猫がストレスを感じる場面にはどんなものがあるのでしょうか。
・自身の安全、回避・・・安全な場所(隠れられる場所)がない。外的に襲われる、暴力を振るわれている、精神的に追い詰められている。
・飲み物・食べものの確保・・・生きるために必要な充分な水がない。食べるものがない。
・居心地のいい場所がない・・・暑すぎる、寒すぎる。安心して眠ることができない、休めない。
・充分な運動や探査活動・・・運動不足、捕食行動をまねた遊び、運動が充分でない。
・社会的活動:ほかの個体との接触・・・テリトリーが脅かされる、孤独、嫌いな同居動物がいる(人・犬・猫・他)。環境の変化
等があげられます。
犬猫がストレスを感じている際に見せる仕草や態度はどんなものがあるのでしょう・・・
人間は「人」基準で判断しがちですが、実は真逆な行動をしている場合もあるのです。
例えば「あくび」 人間はリラックスしているときに出がちですが、犬や猫はストレスを感じている時に、自身の緊張を和らげる為にあくびをしたりする場合があります。

詳しくみていきましょう~
【犬のカーミングシグナル】
※カーミングシグナル(転位行動)・・・・ストレスを感じた時に自らそのストレスを軽減するための行動。また、相手にそれを伝えるシグナル。
①顔をそむける・・・他の犬(人)と出合った時に敵意がないことを相手に示す。
→ 明らかに喜んで迎え入れてくれている場合以外は、犬に接近する際のスピードが早すぎたり、真正面からどんどんと犬に接近するのではなく、側面から蛇行しながら近づく。犬を直視しないで、目を背けて近づくなどする。
お散歩中知らない犬が先にいたら、斜めや相手の正面から外れた場所から近づくようにする。
②目を背ける(顔ではなく、目だけ背ける)・・・相手が正面から近づいてきたとき。じっと目を見られた時。
→ 初対面の犬に対してのダイレクトなコンタクトは不安と恐怖を与えます。犬からしたら自分より背の高い位置から見下ろされ凝視されれば、威圧感や恐怖心を感じるものです。 正面から目を凝視せず、こちらから目を外しすこしずつコンタクトしましょう。
③横を向く・・・体を横向き、後ろ向きにする。
→犬同士で遊んでいて相手がヒートアップした際などに相手に少し落ち着いてほしい際にとるサインです。 あいてが過剰に飛びついたりじゃれたりしてきた際に。
犬が人に対して過剰に接してきたときは横を向く、後ろを向くなどしてこのシグナルをだしましょう。
④口の周りをなめる・・・自分(犬)が相手の犬に近づくとき。人が自分(犬)に覆いかぶさってきたとき。強く押さえつけられた時。人が起こっている時。
→相手に落ち着いて欲しい。また、自身が不安な場合のサインです。相手の犬が人に対し緊張している場合、唇をなめる等して犬にシグナルをだすもの良いです。また、犬のシグナルを見て人も犬が「不安だよ。落ち着いてよ!」というシグナルを出しているのを読み取ってあげましょう。
⑤動きを止める・・・同じ姿勢のまま固まる。 自分より体の大きな犬が近づいてきてニオイを嗅いでいる時など。
→相手の興奮を誘発させないよう刺激を与えないようにしているシグナルです。無理に動かそうとせず次のシグナルがでるまでジッと待ちましょう。
この時におなかを見せたままフリーズする犬がいますが、甘えていると勘違いしおなかを触るなどは絶対しないように!
⑥ゆっくりしたスローな行動をとっている・・・相手を刺激しない様、落ち着かせるためにゆっくりした行動をとっている。
→ ほかの犬を見つけた時。人がイライラしている時。同時にたくさんの事が起こった時など。犬が人に恐れているように見えた際は人も同様にゆっくりした態度で接しましょう。
⑦あくびをする・・・緊張や不安などのストレスを感じた時
→ 病院など苦手な場所に行ったとき。家族が言い争いをしている時。慣れていない人から強く抱きしめられた時等。
こんな場面で犬があくびをしていたら「大丈夫だよ」というシグナルとして、人間もあくびをしてみせましょう。
⑧ニオイを嗅ぐ・・・本能としてニオイを嗅ぐ場面ではない時に地面などのニオイを嗅ぐ
→ 人が正面から近づてきた時や、人から強い口調で指示された時等

【猫のカーミングシグナル】
猫は基本的に自分にストレスを感じた時は、相手に伝えてなだめるためのシグナルではなく、自分から離れてほしい。これ以上近づかないで。と、ストレスを感じている事を示すシグナルです。恐怖を感じている時点で基本的に触れる距離に居ません。
・これらのしぐさが見えた時はストレスを感じていると考えられ、攻撃を仕掛けてくる前のサインであることもあります。
→耳を左右に平たくし頭を下げる
→尻尾を左右に振る。座っている状態で床にたたきつけるように尻尾を振る。
→瞳孔を開きこちらを凝視する
その他のシグナル
・遊びの途中や話しかけている途中急に体を少しなめる
→ジャンプや着地に失敗したときや、うまくいかない時、何言っているかわからない、怒られている。等のストレスに対し、自分をなだめる行為「落ち着け自分」としてグルーミングをする。
犬猫共通の「初対面おさわり」の仕方
初対面、また、人に慣れていない犬猫にとって家族以外の人は怖い人・不安・・と感じるのが普通ではないでしょうか。
私も幼少期、よく家に飲みにくる近所のおじさん(私自身あまり慣れてはいない)に膝に半強制的に座らされ何度も大泣きした記憶が・・・
犬もネコも、敵か?!味方か?!とドキドキしている時に、いきなり手のひらで頭をなでるように触るのはNGです。 手のひらを頭に向かって開くことは、頭を押さえつけられる状態。物をつかめる状態であり、その手のひらが上から自分に向かってくるのです・・・
想像したら怖くないですか??
ではどうしたら・・・
興味があれば相手からニオイを嗅ぎにくるので、可能なら手のニオイを嗅いでもらいご挨拶する。(急に手を口元へもっていかず、すこし手を出す程度に。あくまで犬猫が鼻を近づけてくるのを待つ)
ファーストタッチは目を見ずに手の甲で体の側面(横腹~お尻のあたり)をやさしく触る。
頭・首・尻尾・手足は敏感な場所なので、慣れていない人に触られるのは嫌がります。
しつこく続けて触らず、手の甲を体に当てるなど犬猫の様子を見ながら少しずつ馴らしていく。途中鼻を急にこちらに向けるなどのしぐさがある時は不快で気になっている時なので触るのをやめる。こちらを見ず、唸る場合も触るのをやめましょう。噛まれます・・・
犬もネコも低い声よりも女性のような高い声でやさしく話しかけられた方が打ち解けが早いとされています。仲良くなりたい場合は高めの声でやさしく話しかけながら接しましょう。

犬は仲間とコミュニケーションを取りながら生活する為シグナルを多用して相手とコミュニケーションをとろうと行動するのに対し、猫は単独で生活し不必要な危険を回避しながら生活する為相手に対し直接的なコミュニケーションが乏しいように感じます。また、犬に比べ猫の行動学研究は遅れており、まだまだ解明されていない猫特有のシグナルは多くあるのかもしれません。
とはいえ、一緒に生活している中で、家族にのみ見せる表情などは色々あり、個体によってみせる表現方法も違うように感じます。そのこによって要求の仕方が違ったり、それを理解できる喜びも家族の特権と言えますね。
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