腎炎・尿毒症の予防として出来る事・・・
- RIMORANA
- 2022年2月18日
- 読了時間: 6分
更新日:2022年2月19日
先日友人のワン・ニャンの様子を見に伺った際に、友人の近所に住む3歳の猫ちゃんが
様子がおかしいとオーナーが病院へ連れて行ったが、その翌日虹の橋を渡ってしまったそう。原因はたした・・・「腎臓がどう・・・とかいってたかな?」とうる覚えだったのですが、腎炎で急に亡くなるということは、尿毒症になってしまったと考えられます。
尿毒症になる原因は慢性腎炎でない場合は、尿石症による原因と急性腎炎(事故や感染症、腎臓に影響する毒、心不全など、尿路閉塞)が考えられます。
尿毒症は腎臓が尿中に排出した尿素を体外に排出することが出来ずに、体内に留めてしまっている状態で、腎臓に障害が出て尿素を排出する事が出来ない。尿路が閉塞し尿を外に出せない為に発症し、発症したまま何もしないと1~2日で亡くなってしまいます。
ととも身近でとても怖い病気です。

尿毒症や急性腎炎の症状としてオーナーが確認出来る事。
・ご飯を食べない(毒素が体に回気持ちが悪くて食べられない)
・元気がない、下痢をしてる
・口の周りを良く舐める(気持ちが悪くて吐きそう・・・な状態。人間でいうと生唾が出て 今にも吐きそうな状態)
・激しい嘔吐
・尿がでない又ぼたぼた垂れる(尿路が閉塞して尿が出せない)
・口臭がアンモニア臭がする
→状態が悪化すると・・・
・体温低下(脱水状態)
・痙攣
・昏睡
嘔吐や下痢、元気がない、食欲がないなどは、それ以外の病気の可能性もありますが、いくつも当てはまる時は迷わず病院へ行ってください。「最近なんだか様子がおかしい」と思っていて、「そういえば今日おしっこしてない??」「明日病院が開いたら行こう」なんて悠長なことを言っている場合ではありません。
上記の症状で1つでも当てはまる場合は、まださほど具合が悪そうでなくても病院へ行って
獣医師へ相談しましょう。「おしっこが出てない、ぽたぽた垂れてる」状態は本人はかなりつらい状態で尿毒症を発症するのは時間の問題です。
では、そもそも尿毒症を発症さない為にオーナーは何が出来る事があるのでしょうか。
答えは→→→大ありです!!

そもそも、尿毒症を発症する原因は遺伝や薬・毒・事故などの外部からの原因以外では食事による影響が大きく、慢性腎炎も尿路結石も日々の食事管理が大きく、尿石症の予防や慢性腎炎の進行を遅らせることも、食事管理がとても大切になります。
元気なうちから正しい食事管理をする事でリスクを大きく減らせるのです。
そもそもなぜ慢性腎炎・尿石症になるのかご存じでしょうか。
栄養素の中で大切なタンパク質ですが、タンパク質を代謝する際には同時にアンモニアが発生します。アンモニア(毒素)はその後肝臓で無毒化(尿素)され腎臓へ送られます。腎臓では血液をろ過し不要な物や老廃物を尿中へ排出します。 タンパク質に含まれる「リン」は腎臓に負荷をかける為、タンパク質を多く摂取すればするほど腎臓は疲弊していき腎臓病への進行を早めます。 とはいえ、体をつくる上でタンパク質は必ず必要な栄養素の為、その量を管理してあげる事で、病気のリスクを減らしていきます。
猫に腎臓病が多い理由は、猫の原種は砂漠地帯で水をなかなか確保できない状況下で生活しておりました。その為猫はその少ない水分を体内で維持するために、一度使用した水を再度体内で循環させ再利用しながら生活しているのです。つまり再利用した水分は老廃物や不要なものが多少なり含まれておりその濃度が濃くなった水を再度腎臓でろ過する為、犬よりも腎臓への負担が多いのです。
また、尿石症の場合も多すぎる栄養素によるものが原因で、ストルバイトの場合は「リン・マグネシウム・タンパク質」シュウ酸カルシウム結晶では「シュウ酸・カルシウム・ビタミンc(ビタミンCの代謝物)・ビタミンD・タンパク質」 です。
こちらも、必要なエネルギー以外におやつやサプリなどで過剰に栄養素を摂りすぎると尿のphが偏り結晶をつくりやすい環境をつくります。
※ツイッター・アメーバブログの過去ログに尿石症の食事管理をUPしているのでぜひご覧ください

また、水分摂取もとても大切です。
尿石症については充分な水分摂取は絶対で、充分摂取する事で尿中のphの偏りを防ぎ結晶ができにくい環境を維持できます。
腎臓病でも水分摂取は大切です。 体内の水分量が少なければ、脱水はもちろん血中の水分量も減り、腎機能の一つである水和状態の維持が困難になります。
~どのように食事管理すればいいのか~
・タンパク質について
ドライフード・ウエットフード・手作り食、どれもそうですが、大切な事は
出来るだけ腎臓の負担をへらし、必要なエネルギーを摂取をすることです。
たんぱく質は動物性の方が多く含まれておりアミノ酸のバランスもよいです。
ですのでフードの原材料(含まれている原料が多い順に書かれている)の第1原料~第2,3原料までが動物性だと言うことなしですが、
第一原料だけだとしてもタンパク質源の大半を動物性原料が占めているフードだと良いですね。
逆に植物性たんぱく質が第一原料の場合、グラム当たりに含まれるタンパク質に含まれているアミノ酸などの栄養素が動物性に比べて少ない為、たくさんの量を食べないと必要な栄養素が摂取できないのです。そのため食事量が増え(タンパク質量が増える)腎族に掛かる負担が多くなり、栄養素も偏りが多いため最低量摂取しないといけない栄養素を基準とすると他の栄養素を過剰摂取してしてしまう事があります。
過剰な栄養素は上記のように尿石症等の病気のリスクにもなります。
つまり、動物性タンパク質源のフードで、少ない給餌量で必要な栄養素を取る事によりタンパク質の摂取量を減らし腎臓への負担をへらす事で、慢性腎炎の進行を遅らせ、尿石症の原因の過剰な栄養素を抑制するのです。
☝おやつの原材料も含まれますので、主食だけでなくおやつの材料や量も見直しましょう。
(乾燥したジャーキーなどは、意外とタンパク質量やリン・ナトリウムが多いです)

また、水分についてですが、カウンセリングの際「お水は充分飲めていますか?」と伺うと、だいたいのオーナーさんが「お水は結構飲んでます。」と申します。「結構」とはどれくらいの量なのでしょうか。私がカウンセリングする中で推測するに、お水は確かに飲みますが量はけして充分ではないと感じます。
1日に必要なお水の量は、その個体が1日に必要なエネルギー量と同じ量です。 (400Kcal/day=400cc/day )
実際ここまで取れなくても、近い量を飲めていれば優秀です!!
水分を摂取する際は、頻回で与えましょう。1度に大量の水分を与えても体には吸収されず、体外はすぐ排出されてしまいます。
先日TVで動物病院のドキュメンタリーを見ていたら、飼っているチワワが急にふらふらと歩き、目は半目でぼーっとしバタンと倒れた。と病院に連れてきていました。
オーナーさんは原因はわからず・・・獣医師がその前の行動をヒアリングした結果どうやらササミのゆで汁を喜んで飲むからと大量に(チワワの体でだいたい600cc/人では一度に6ℓ相当量)飲ませた結果水中毒を起こしたということでした。
ナトリウムの含まれていない水分を一度に大量に摂取すると体内のナトリウムの量が薄くなり、体は正常な機能が出来なくなります。
犬猫が喜んで水分摂取してくれることは大変嬉しい事ですが、過剰に与えるのは水に限らず色々リスクがある可能性がある事を忘れてはいけません。
また、慢性腎炎の発生しやすいシニアは同時に水分接収量が減る年頃なので、水分は意識して取らせるようにしましょう。
たたし、腎臓病は水分を過剰に取るというのも病気の症状としてありますので、どれくらいの量が必要でどれくらいの量から異常なのかを確認し、日々観察する事も大切です。
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